全英が心奪われたピュア・ヴォイス、Birdy(バーディ)

Birdy Official Site

今年3月に全米で公開されるやいなや、オープニングの週末3日間で約1億5千万ドルの興行収入を達成したサバイバル・アクション映画『ハンガーゲーム』。そのサウンドトラック『Hunger Games: Songs From District 12 & Beyond』に収録された、バーディー(Birdy)の新曲'Just A Game'がYouTube公式チャンネルにて先月末に公開されました。





Birdy(バーディー)こと本名Jasmine van den Bogaerde(ジャスミン・ヴァン・デン・ボガード)は、1996年5月15日生まれ、イギリスはハンプシャー、ライミントン出身で現在16歳のシンガー・ソングライター、ミュージシャン。

家族全員が楽器を演奏できるという音楽一家の中で育ち、特にコンサート・ピアニストである母親の影響で7歳からピアノを弾き始め、8歳になる頃にはソング・ライティングも始めていたというバーディー。
現在16歳となったバーディは、地元ライミントンにある学校でパフォーマンスやビジュアルアート等を専門に学んでいる。
ちなみに、彼女の大叔父に当たる人は、英国の名優、サー・ダーク・ボガード(Sir Dark Bogaerde)で、バーディー自身イングランド、ベルギー(フラマン)、オランダ人と多様な家系の流れを汲んでいる。

彼女の芸名であるバーディーは、まだ乳幼児だった頃、両親が彼女を食べさせていた時に小鳥のように口を開いていたことからつけたニックネーム。友達や学校などでは本名のジャスミンで呼ばれるが、家族間では未だにバーディーの愛称で呼ばれている。

そんなバーディーに転機が訪れたのは、'08年、バーディーが12歳の時、イギリスで最大規模の音楽コンクール「Open Mic UK」への出場だった。そこで2000人ものオーディエンスの前で自ら作詞・作曲したオリジナル曲"So Be Free"を歌い、見事優勝。


その後、優勝がきっかけでワーナー・ミュージックUKのジョイント・ベンチャー・レーベルである14th Floor Recordsとメジャー契約を果たす。





そして'11年1月、14歳の時に今年グラミー賞も受賞したアメリカのインディ・ロック・バンド、ボン・イヴェール(Bon Iver)の"Skinny Love"をカヴァー。このデビュー・シングルが母国イギリスで全英チャート17位を記録した他、オランダで1位、オーストラリアとフランスで2位と、ヨーロッパ諸国とオーストラリアで特に人気を博した。

アデル(Adele)やザ・エックス・エックス(The XX)に影響を受けたというバーディーは、シンプルなピアノの弾き語りというスタイルで、弱冠14歳の少女とは思えない程に深みのある純粋な歌声が全英、全欧の人々の心を奪ってしまった。





続くセカンド・シングルとなった、The XXのカヴァー"Shelter"は昨年放映された映画『ヴァンパイア・ダイアリーズ』で使用されるなど話題を呼んだ。





その後、サード・シングルとしてチェリー・ゴースト(Cherry Ghost)の'People Help The People'をカヴァー。
そして、昨年11月にはオリジナル曲'Without A Word'を除き、全てカヴァーソングとなるセルフタイトルのデビュー・アルバム『Birdy』をリリースし、オランダ、オーストラリアで1位、フランスで5位、本国イギリスでは13位を記録し、イギリス、オーストラリア、オランダ、そしてベルギーでゴールドディスクを獲得する大ヒットとなった。

ちなみにこのオリジナル曲'Without A Word'は、現在公式サイト(メーリングリストに登録した後、送られてくるメールに書かれたURLからDL)で無料DLできます。


このアルバムのオリジナルを歌っている人をご紹介しておくと、


1. 1901 / Phoenix
2. Skinny Love / Bon Iver
3. People Help The People / Cherry Ghost
4. White Winter Hymnal / Fleet Foxes
5. District Sleeps Alone Tonight / The Postal Service
6. I'll Never Forget You / Francis & The Lights
7. Young Blood / The Naked And Famous
8. Shelter / The xx
9. Fire & Rain / James Taylor
10. Without A Word / オリジナル
11. Terrible Love / The National

という内容になっている。



個人的にデビューにしてカヴァー・アルバムというと、03年にリリースされた同じくUK出身のソウル・シンガー、ジョス・ストーン(Joss Stone)の『Soul Sessions』を思い浮かべる。ジョスもデビュー当時まだ17歳と若かったものの、白人のティーンらしからぬソウルフルな歌声で注目を集めた。

そして、バーディーのデビュー・アルバムもほとんどがカヴァー・ソングで、これらがどういった意図でどんな経緯で選曲されたのかは分からないが、オリジナルを歌うシンガーやバンド達は出身や性別、ジャンルも違う曲であるのに、本当にまだ少女だとは思えない程に、ピュア・クリスタル・ヴォイスとも呼ばれるとても純粋でいて深みのあるしっとりとした歌声が、彼女のピアノ演奏も相まって至高のバラードへと昇華されている。

その年齢を超越したイノセント・ヴォイスやアルバムの選曲センス等から、スタイルは違うものの母国ではアデル(Adele)のデビュー当時を思わせる評価を受けている。しかし個人的には、アデルよりも今年ロンドン・オリンピックの開会式、閉会式でのパフォーマンスでも注目を集めた、エミリー・サンデー(Emeli Sande)により近いと感じる。

今年に入り、上述したように映画『ハンガー・ゲーム』のサウンドトラックに貢献したり、6月には3Dアニメのピクサー映画『メリダとおそろしの森』にマムフォード&サンと共に楽曲"Learn Me Right"で参加したり、ロンドンで行われたパラリン・ピックにおいてAnthony And The Johnsonsのカヴァー曲'Bird Girhl'を披露するなど活躍している。

そんな大活躍中のバーディー、日本ではワーナー・ミュージック・ジャパンに彼女の紹介ページがあるので契約獲得はしているのだろうが、残念ながら未だに日本盤はリリースされておらず、まだその予定も発表されてはいない。

次は是非、全曲オリジナルでのアルバムを心待ちにし、日本デビューにも期待したい。



参考記事
Birdy on Wikipedia


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