![]() |
MTV World Stage |
スウェーデン出身のシンガー、音楽プロデューサーのロリーン(Loreen)がESC(ユーロビジョン・ソング・コンテスト)2012で歴代2位の得点で優勝を果たし、ヨーロッパ全土はもとより世界で注目を集めている。
知らない方のために、ESC(Eurovision Song Contest / ユーロビジョン・ソング・コンテスト)を簡単にご説明しておくと、1956年から開催され、欧州放送連合に加盟している放送局を持つヨーロッパの各国(参加資格があればEU圏外の国も参加可能)から、それぞれの国代表のミュージシャン(プロアマ問わず)を選出し優勝を目指して競い合う、毎年恒例となっている音楽祭である。
オーディション番組であるアメリカン・アイドル等と同じように、視聴者による電話投票と審査員の投票によって優勝者が決定する。ただし、自国のミュージシャンには投票できないというルールがある。国によっては事前に国内予選が行われるところもあり、スウェーデンではメロディーフェスティバル(Melodifestivalen)という本選出場を賭けた予選があり、ESC本選のように投票によって代表が選出される。
ESCは日本では洋楽(特に欧州の)好き以外には知られていないぐらいマイナーではあるが、特に優勝すると国際的な注目が集まり、優勝者はキャリアを築ける大きなチャンスともなるためヨーロッパ各国では大きな関心を集めている。しかし、この57年もの歴史をみてみると実際に世界的な大きな成功を収めた優勝者はそれ程多くはない。とはいえ、少なからず世界的に有名になった者をみると、ABBA(74年優勝)、セリーヌ・ディオン(Celine Dion / 同88年)らが特に大きな成功を収めている。但し、セリーヌに関しては優勝してから数年後に活躍することになるので、優勝したことが直接関係していたとはいえないかもしれない。
その他、日本でも知られている人といえば、日本ではニューエイジやヒーリング・ミュージックにカテゴライズされるシークレット・ガーデン(Secret Garden / 同95年)、トルコの歌姫セルタブ・エレネル(Sertab Erener / 同03年)、元アンティーク(Antique)のエレーナ・パパリズー(Elena Paparizou / 同05年)などが挙げられる。
ロリーンはこのESC57年の歴史の中で歴代2位となる372点、次点と113点差(この点差も歴代2位)という大差で優勝を果たしました。また、各国の持ち点の最高得点である12点を一番数多く与えられたのは、2012年に優勝を果たしたロリーンで(42ヶ国中)18ヶ国。
ロリーンが優勝したESC2012の出場者を見てみると、ロリーンも含め正直日本でも知られているような有名なミュージシャンは出ていない。が、準優勝を果たしたロシア代表(元t.A.T.u.のユーリャらを抑えて代表に選ばれた)のブラン村のおばあちゃんたち(Buranovskiye Babushki)をはじめ、04年のESCで準優勝を果たしているセルビア代表のジェリコ・ヨクシモヴィッチなど、実力あるシンガー達が出場している。その中でこれだけ大差で優勝を果たしたロリーンのパフォーマンスはもう圧巻のひとこと。見るものを惹きつけるパフォーマンス、力のある歌声、シンガーとしてパフォーマーとして高いレベルにあることが窺い知れる内容だった。
ロリーン(Loreen)ことローリーン・ズィネブ・ノーカー・タルハーウィー(Lorine Zineb Noka Talhaoui)は、1983年10月16日生まれスウェーデンはストックホルム出身のシンガー、音楽プロデューサー。両親は共にモロッコ南部出身のベルベル人である。
ロリーンが知られるようになったのは、'04年にスウェーデンのオーディション番組「Idol 2004」に参加し4位という好成績を収めたのがきっかけ。国内で知られるようなったものの、この後'05年~'11年までシンガーとして表舞台での活動は長い間休止していた。
この休止期間中は裏方に回り、Matakuten(TV4)、Frufritt(SVT)といったリアリティ番組にプロデューサーとして参加していた。
彼女が再びシンガーとして復活を果たしたのは、ESCのスウェーデン国内予選となるメロディーフェスティバル2011への出場であった。
ロリーン自身とMoh Denebi、Bjorn Djupstromによる共作曲'My Heart Is Refusing Me'で出場し、準決勝まで進んだものの惜しくも敗れ4位という結果で終わった。しかし、この曲がスウェーデン・シングルチャート最高9位というヒットになり、再びロリーンの名が知られるようになった。
そして翌年、今年2012年に行われたメロディーフェスティバル2012に'Euphoria'(ユーフォリア)で出場し、見事優勝を果たしてスウェーデン代表となった。
42ヶ国が参加し、アゼルバイジャンのバクーで行われたESC2012の決勝では、イタリアを除く40ヶ国(自国は投票できない)がロリーンに投票し、歴代2位の372点で見事優勝を果たした。
参加曲'Euphoria'はUKシングルチャートで最高3位(10週ランクイン)を果たし、UK以外のESC参加曲としては3度のESC優勝曲をもち、ミスター・ユーロビジョンとも呼ばれるジョニー・ローガン(Johnny Logan)が87年に優勝した時の参加曲'Hold Me Now'以来の順位となった。また同曲でフィンランドやドイツなどヨーロッパ14ヶ国でNo.1ヒットを放ち、本国スウェーデンでは6週連続No.1、そして5xプラチナ・ディスク(10万枚)を獲得する大ヒットとなった。
ちなみに10万枚と言われると少ないと感じるかもしれないが、スウェーデンの人口は2011年時点で9,417,000人(参照: From Stockholm)。日本の約12分の1の人口なので、日本でいうなら100万枚以上売り上げたのと同じぐらいのミリオンヒットといえる。
優勝後、スウェーデンのヨーテボリで行われた「MTV World Stage」で圧巻のパフォーマンスを披露し凱旋を果たした。
現在、まだESC参加曲であるシングル曲'Euphoria'の他、メロディーフェスティバル2011で披露した'My Heart Is Refusing Me'とその後発表された'Sober'の3曲しか公式には発表されていない。
デビュー・アルバムは本国では9月19日にリリースされる予定だが、まだ公式サイトではアルバムタイトルは発表されていない。しかし、wikiを見ると『Rapture』と書かれている。
日本でもWMJよりリリースが決定されており、公式サイトでは未発表だがAmazon.co.jpを見ると『ラプチュアー』というタイトルで発表されている。これによると発売日は10月10日の予定。
ロリーンがESCで披露した'Euphoria'でのパフォーマンスを見ると、ノルウェーのマリア・ミーナを思わせるような長く綺麗な黒髪でエキゾチックな雰囲気をもっていて、空手や中国拳法のような型を彷彿させる優雅な動き、そして見る者を惹きつけて放さない力のあるエモーショナルな歌声からエンターテイナーとして高いレベルにあることが分かる。
個人的に世界中の女性アーティストを数えきれない程見てきて、これほどまでに心が惹きつけられ琴線に触れたアーティストというのはレディー・ガガ以来。
世界での活躍が期待されるロリーン、彼女の華々しい姿が世界中で見れる日もそう遠くはないだろう。

Loreen / Euphoria
< 参考記事 >
ロリーン (Wikipedia)
Loreen doing MTV World Stage (TV-quality) on Swidish Stereo
ユーロビジョン・ソング・コンテスト (Wikipedia)
< Loreen 公式サイト >
Official Site (SE)
iTunes
WARNER MUSIC JAPAN