
Moon River
「純粋で優しい光に包まれた癒しの歌姫」
1991年アメリカ・ニューハンプシャー生まれの若干16歳(リリース当時は15歳)で、UKの作曲家アンドリュー・ロイド・ウェバーにその才能を見いだされUKにてデビューした、そんなクラシカル・クロスオーヴァー系のシンガー、アンドレア・ロス(本名はアンドレア・クリスティン・ロス)のデビュー・アルバム。
UKというと当時クラシカル・クロスオーヴァー系のシンガーでは、歴代1位の売上を記録したシャルロット・チャーチが思い浮かびますが、シャルロットは幼いながら大人びた歌声でしたが、アンドレアの歌声はまだ16歳という若さながら非常に洗練された伸びやかな声で、聴いていて非常に心地よい穏やかな一筋の風のようです。
アルバムの内容はというと、1曲目からアルバムのタイトルにもなっている往年の名曲"Moon River"から始まります。
この曲は、オードリー・ヘプバーン主演の映画『ティファニーで朝食を』の主題歌として有名な曲で、様々なアーティストが歌っていますが、アンドレアの伸びの良い声が一番堪能できるスローテンポでゆったりとした曲です。
その他、有名な曲としては3曲目のChristine McVieのカヴァー"Songbird"で、オリジナルと比べると声質が違うので少し優しい雰囲気になっている感じがします。
6曲目のCarole Bayer Sagerのカヴァー"The Player"は、オリジナルとそれ程遜色ない気がします。
9曲目の"You Raise Me Up"は、荒川静香さんが試合でケルティック・ウーマンが歌ったものを使用して有名になりましたが、元々は男女デュオのシークレット・ガーデン(Secret Garden)の曲です。
ここまで読むとクラシック・クロスオーヴァーと分類される曲ばかりだと思うかもしれませんが、#8"What The World Needs Now Is Love", #12"Start Of Something New"のようなポップ色な曲もありますし、アンドレアの声質的には、一般的なクロスオーヴァー系のシンガーのように高すぎてポップやロックを普段聴いている人には受け入れられにくい、そんな声ではなくって上手くポップ的センスも含まれた歌声ですし、全体的にだれにでも聴きやすいものになっていると感じます。
個人的には、シャルロット・チャーチやヘイリー・ウェステンラよりこのアンドレア・ロスが好きです。
シャルロットのように変に方向転換したりしないで、ゆっくりと伸びやかに成長していってもらいたいですね。
◆公式リンク
●Andrea Ross OFFICIAL SITE